わが国では、子どものグリーフを支援するということの理解や場が十分でないのが現状です。アメリカでは、このような子どもたちへの支援の場として、子どもたちが安心して気持ちを表現できる場を提供することを目的としたグリーフのサポートする場が存在します。その一つが、アメリカオレゴン州ポートランドにあるダギーセンターです。このダギーセンターをモデルとしたサポートセンターが、現在全米に28ヶ所ほどあります。
ダギーセンターは、どのような子どもも、理解ある、安心できる環境の中でグリーフ(悲しみ、癒される過程を過ごす)の機会が与えられるべきと考え、
- 子どもにとっても、大人にとっても大切な人を失ったときのグリーフの反応は自然な反応のひとつである。
- 一人ひとりの中に本来自分を癒す力が備わっている
- グリーフの長さや強さは、人によって異なっている
- 世話をしたり、されたりするプロセスが、グリーフワークではよいサポートになる
ということを大事に活動している場です。(ダギーセンターの理念からの抜粋)
そのような活動も参考にしながら、子どものグリーフを支援するときに大事にしたことを以下にまとめてみました。
子どもの力を信じる
子どもであれ、大人であれ大切な人との別れは、さまざまな複雑な思いや感情をもたらします。そしてそれに対して人は、それぞれのプロセスで向き合い、これは、子どもであってもちろん同じです。そしてこのことは、誰かが解決してくれたり、ある時が来れば解決するというものではなく、それぞれが、自らのあり方とプロセスで付き合っていくことで癒されていくものです。これは、当然、子どもであってもその子なりのプロセスと受けとめがあるということを理解することがまずは大事です。
そして、子どもであっても人にはその力があることを信じ、本人の力を助けることであると考え関わることがとても大切なことです。
子どものニーズを知る
子どもの疑問・質問
- 死んだのは、自分のせい?
- 僕(私)も死ぬの?
- お母さん(お父さん)も死ぬの?
- どうして死んだの?
- 死んだ人はどこに行くの?
- 死んだらどうなるの?
- なんで ○○さんは、病気になったの? 死んだの?
子どもは、どんな年齢でも何が起きているのか、どうなったのか、これからどうなるのかということを知りたいと思っていることを忘れないで下さい。何が、起きているのかわからないことは、大人であっても不安や恐怖をもたらしますね。子どもも同じです。子どもの場合は、年齢が幼い場合、大人が考えもつかないようなとらえ方で思い込み、悲しんでいる場合もあります。
子どもだからこそ、子どもの理解にあわせて、何が起きたのかを一緒にお話していくことは、とても大事なことなのです。たとえば、子どもは、親の死も自分が悪い子だったから親は自分を捨てていったと思い込み、悲しみを増大させていることも少なくありません。
子どもは、大人が考えている以上にたくさんのことを考えています。そして、大人の様子もしっかり見ています。大人が話を避けたとき、子どもは、「この話題は、話してはいけないこと」と考え、子どもにとっては気持ちを表現する機会を失ってしまいます。
子どもの質問は、子どもの思い、考えを知る機会になるのです。難しいことや理屈で説明するばかりでなくても、大人が考えていることを率直に正直に話すことを大切にします。
子どもが、感じていること、思っていることを表現できる場を大事にする
子どもが、感じていること、考えていることを率直に伝えてもいい、表現してもいいと感じる場があること(安心できる場があること)が大切になります。そして、一緒に過ごす時間を大切にする、思い出を話す、一緒に遊ぶ、絵を描くなどなどの時間を共有することだけでも十分に大切なことです。
また、子どもが望めばお葬式などの儀式などに参加するということも大事な場面となります。どのような気持ちもあたりまえの気持ちであることを保証しながら、時を過ごすことがとても大切です。
